審査結果について
最終審査結果について
ファイナルプレゼンテーションに勝ち残った上位10名を紹介します。
グランプリ
歴都再生計画敷地:石川県金沢市柿木畠里見町 油車
■コンセプト
まちに分散した幾つかの建築を巡ることで、人と町を繋ぎ、まち全体を豊かにする歴都再生モデルを考えたい。
中心市街地の空洞化が進む中、金沢市の歴史文化遺産に囲まれたエリアの遊休空間に注目し、
各所の特徴を反映させた建築を巡ることで町を紡ぎ、城下町の都市構造を生かしたまちづくりを
提案する。
(KSGP15167 金沢美術工芸大学 堀場絵吏)
準グランプリ
後世に架かるお囃子橋―文化を継承する風景の再編―計画敷地:宮城県本吉群南三陸町志津川地区
■コンセプト
被災後4年が経過した南三陸町の現在、震災被害の復興作業が進む中、
仮設住宅や移住 の繰り返しにより解体されてしまったかつての集落の文化。 惜しくも消えゆく無形文化遺産と供に“集落の人々のつながり”と“かつての賑わった風景” を町の中心部にある人道橋を拠点に再編してゆくことを提案する。
(KSGP15145 東京都市大学大学院 飯島広大(共同:澤口花奈))
三等
美酒かをる、さかぐらのまち―酒造りを継承するための酒蔵と地域の交流の場―計画敷地:兵庫県宍粟市山崎町西町地区
■コンセプト
古い酒蔵が残る、山崎町西町地区の再生計画。地区を彩る酒造りの営みが今後も続くように、酒造地の条件から都市的・空間的文脈を読み解き、既存環境を生かしつつ、まち全体を酒蔵群として再構成する。まちや酒造りに関係する人々が共に住み、訪れ、活動、交流できる居場所を、酒造工程の順に形づくる。
(KSGP15169 大阪芸術大学 藤永琢磨)
四等
漁村旅館計画敷地:東京都大島町岡田地区
■コンセプト
岡田町は伊豆大島の玄関口として大きなポテンシャルを持ちながらも、
単なる通過点となっている。魅力ある宿泊環境を整備し、通過点から滞在場所へと町の印象を変化させる事が急務だが単発的な営業努力では限界がある。そこで「まちやど」という町全体が互いに補完し合う宿泊ビジネスモデルを提案する。
(KSGP15070 日本大学大学院 岡田遼)
五等
湯仲間計画敷地:長野県松本市 浅間温泉
■コンセプト
温泉は日本を代表する歴史的観光資源である。しかし、近年ではにぎわいに欠ける温泉地も多い。そのひとつである浅間温泉には、
昔から「湯組」という外湯による住民のつながりがある。住民と観光客が共に利用する
「湯めぐり図書館」の提案で、浅間温泉のまちなみ、人のつながり、湯めぐりを再編する。
(KSGP15075 信州大学大学院 市川楓)
六等
再編する縁(よすか)―実測調査で得た生活を木造住宅記録―計画敷地:広島県尾道市百島
■コンセプト
敷地は広島県尾道市百島のとある木造住宅。屋根瓦の古い
住宅、空き地となっていく土地、田んぼや畑が混在している田舎風景。昔、この場所にお店を始めようとしていた夫婦がいたが、今は祖母のみとなってしまった。実測調査による
考察から、一人の住まいにしては広すぎるので、家を解体や移築、増設することでこの家の記憶を継承しながら、更新していく提案。
(KSGP15191 工学院大学大学院 井野裕也(共同:大枝岳、﨑山涼))
七等
継承するまちの風景―ハレとケの可視化―計画敷地:佐賀県唐津市 唐津くんち(お祭り)
■コンセプト
お祭りという造形物として残されていないものを可視化し、来世へ繋ぐための建築を提案する。 以前は祭りと共にあった建築や風景も現在では、それぞれが独立して
しまい期間中でしか伝統 的な様子を見る事ができなくなった。まちとお祭り、そして建築との
繋がりを再認識するために 可視化する提案です。
(KSGP15138 佐賀大学 仲浩慶(共同者:日高祐太郎))
八等
街を作るのは誰か。―六角橋の生存戦略―計画敷地:神奈川県横浜市神奈川区 六角橋
■コンセプト
東急東横線沿線の白楽駅すぐ、終戦直後の闇市由来である六角橋商店街は、道路拡幅計画による消滅の危機に59年以上もさらされている。地域やコアなファンに愛される空間を、そのアイデンティティを担保しつつ道路拡幅のポテンシャルを落とし込むためのアーキテクチャの提案。
(KSGP15168 明治大学大学院 弓削多宏貴)
九等
再起の湯 250m共同体計画敷地:東京都墨田区東向島「松の湯」跡地
■コンセプト
東京に残る木密地域と呼ばれる下町エリアは、防災面から生産性の高いマンション等に建て替えられ、どこにでも見られるような均質な町並みへと変貌し、下町に根付いていた濃密なコミュニティを喪失した。そこでかつての下町コミュニティの根源である銭湯に着目し、銭湯から町を再構築する計画をはかる。
(KSGP15032 日本大学大学院 出山亮)
十等
積層する界隈-ラジオセンターの空間エレメントから導きだされた秋葉原的空間広場の再編-計画敷地:東京都千代田区外神田 秋葉原ラジオセンター
■コンセプト
時代の潮流に逆らうように、今なお高架下に収められた「秋葉原ラジオセンター」に 見られる、闇市の名残あるスケールの中に見出した、猥雑で細やかなにぎわいを再 編することで、かつて自然発生的に形成されてきた裏側の広場性を秋葉原的広場と して現代のスケールに還元しようと考えた。
(KSGP15155 日本大学大学院 清水亮輔)
1次審査結果について
”歴史的空間の再編”というテーマに対して、場所や物事の歴史だけでなく、建築様式の歴史も
含めた解釈がどのようになされ、バランスを取っているのか。そのような視点から、
本戦に残すべき作品を選出した結果、これら50作品がふさわしいと決定いたしました。